皆さま,こんにちは.
久々に投稿します,水元かわせみの里専門員の芝原です.
昨日,一昨日は少し暑さが落ち着いてきましたね.季節のこよみ,二十四節気でも「立秋」,「蒙霧升降(ふかき きり まとう)」です.
さて,今回の話題はゴミです.私たち専門員は毎朝出勤すると,水元公園を含むかわせみの里の周囲を巡回しゴミ拾いをします.
このように,いつもゴミが落ちています.なお,水元小合溜から約20キロ下流に東京湾があります.
私は以前は,千葉県習志野市にある「谷津干潟自然観察センター」に勤務し,東京湾の干潟に関わってきました.観察センターでは,近年は干潟に漂着するマイクロプラスチックの問題を取り上げる取り組みを行っています.マイクロプラスチックとは,大きさ5ミリ以下の小さなプラスチックの破片のことで,もとは容器や包装,各種の生活用品などが野外で風化し分解されて細かくなったものです.問題は,これらが海を汚染し,有害物質を吸着して魚などの体内に取り込まれ,海洋生物や人体にも吸収されて生命や健康を脅かすことです.
マイクロプラスチックの発生源は,私たちがプラスチックを利用した後の不始末にあります.わかりやすい例は「ポイ捨て」です.捨てられたゴミは,風や川の水で運ばれ海(東京湾)にたどり着きます.
かわせみの里の周辺で数が多いのは,タバコの吸い殻.吸い殻の中身はフィルターで,これもプラスチックです.次いで目立つのが飴やキャンディーの包装です.重さで言えば,リサイクルされるはずのペットボトルが一番多いです.
拾えばきれいになりますが,絶対に全ては拾いきれません.一番良いのは捨てないことです(当たり前!^^;).さらには,それらを「消費しない」(使わない,買わない),「生産しない」ことです.それを端的に表したのが,SDG's(持続可能な開発のための目標)12の「つくる責任つかう責任」です.
プラスチックが使われるのは,他の素材より加工しやすく丈夫で軽くて便利だからですが,それを求めているのは私たち消費者です.そのニーズに沿って商品を生産し販売しているのが企業です.消費者も生産者もそれぞれに責任があります.社会を持続可能にするには,“どちらかや誰か”ではなく“みんな”で取り組まないと解決しません.
話を現場に戻すと,ゴミを拾うこともそれは解決の一歩ではありますが,まずは捨ててほしくないです.捨てているのはほんの一部の人で,習慣的に繰り返しています.タバコの吸い殻や飴の包装の銘柄は特定のもので,捨てている場所がベンチの脇などいつも決まっています.ポイ捨てを解決するには,それをその人に直接お願いし,子どものうちに家庭や学校で,社会生活のルールを学んでもらうことだと思います.
これは個人的なつぶやきですが,大事なことは,成績が優秀で勉強ができることよりも,他の人や周囲の環境に思いやることだと思います.そうすれば,戦争のない平和な世界になるのではないかと・・・.
少し,話が飛躍しましたが.私は身近な海・東京湾のことを想いつつ毎日ゴミを拾っています.水の保全を担う水元かわせみの里のスタッフとして,引き続きこの課題に取り組んでいきたいと思います.