人気ブログランキング | 話題のタグを見る

水元かわせみの里水辺のふれあいルーム

mkawasemi.exblog.jp
ブログトップ

バードサンクチュアリで群れる疥癬症のタヌキたち。

皆様こんにちは。
水元かわせみの里の野間です。

悲しいお知らせです。
本日行っていた公園内の植物調査中に、バードサンクチュアリにて3匹の疥癬症にかかったタヌキを発見しました。

バードサンクチュアリで群れる疥癬症のタヌキたち。_d0121678_14130646.jpg
3匹とも毛がほとんど抜け落ちていて、地肌が丸見えになっています。
寒いのでしょうね。日の当たる場所に出て、3匹で身を寄せ合って一塊になり、ときおり体を掻いていました。
動きもよたよたとしていて、とても心もとないです。どうやら激しく衰弱しているようです。
残念ながら、きっともう長くはないでしょう。


疥癬症とは、ヒゼンダニというダニによって生じる皮膚病です。
感染すると強いかゆみを伴い、体を搔いている内に毛が抜け落ちて衰弱し、いずれ死んでしまうと言います。
そして恐ろしいことに、疥癬症にかかったタヌキが他のタヌキに接触することで、疥癬症は感染します

水元公園では現在、いたる所で疥癬症のタヌキが目撃されています。
もう一つ心配なのは、目撃されている場所の多くで人による餌付けが報告されていることです。

バードサンクチュアリで群れる疥癬症のタヌキたち。_d0121678_15373181.jpg
(バードサンクチュアリに設置されている餌やり注意喚起サイン)

餌付けによってタヌキが一箇所に集合し居つくことで、疥癬症タヌキとの接触機会が増え、感染が拡大している可能性があります。

タヌキは可愛いですから、餌をあげたくなる気持ちは理解できます。
しかし、仮に善意から始まった行為だとしても、安易な餌付けは結果的に、その野生動物にとって大きな悲劇を招く可能性があります。
※渡り鳥への餌やりなども同様で、渡りの時期を逸したり、採食能力が弱まったり、餌の種類によってはそのう炎などの病気の原因となる可能性があるため、ご遠慮ください。

野生動物にとって必要なのは餌ではなく、彼らが自由に生きていけるだけの環境です。
適切な距離感を保ってもらえたらと思います。

by kawasemiblog | 2022-01-18 14:45 | 生きもの情報 | Comments(0)